ファイナンシャル・プランニングをする上で必要不可欠なのがリスクへの対処法。
普通に生きているだけでも、思いもかけないところで急に大きなお金が必要になることがあり、ファイナンシャルプランナーはそこまで想定して顧客の資金計画を立てなければいけません。
この記事では具体的なリスク管理の方法までは紹介しませんが、ファイナンシャルプランナーがリスク全般に対してどのような考え方をすべきなのかを紹介します。
リスク・マネジメントの考え方
ファイナンシャルプランナーはリスクに対して最小限の準備で最大限の効果を上げるために計画を立てます。
限りある資金の中で少しづつリスクに備えて、将来起きるかもしれない大きな出費をできるだけ抑えるようなプランニングが必要です。
リスク・マネジメントの手法
リスクマネジメントは起こり得るリスクを発見するところから始まり、そこからその対処法を探っていきます。
リスクへの対処法は大きく以下の2つに分けて考えるのが基本です。
リスクコントロール
リスクコントロールはリスクの頻度や規模を小さくする手法です。
例えば運用している資産を分散させたり、将来病気になって高い医療費を払わずに済むように健康に気をつけたりすることがリスクコントロールに繋がります。
リスクファイナンシング
リスクファイナンシングはリスクによって多額の費用が必要になった時にどうにかしてお金を工面する手法です。
保険などが代表的なもので、特に自動車保険は事故を起こした時に個人では支払いきれない額の保障をしてくれます。
また、リスクに自己資金だけで対応できるようにお金を貯めておくのも、リスクファイナンシングの一つです。
リスクの種類
一般的に想定されるリスクには以下のようなものがあります。
死亡のリスク
死亡することによって家計を支える人間がいなくなってしまうリスクがあります。
家族の人数や年齢に応じて生活に必要な額にばらつきがあるので、死亡保険に加入する場合でも多くの選択肢の中から選ばなければいけません。
また、家計を支えていない場合でも家族の役割を果たすのにお金が必要な場合もあります。
例えば専業主婦が死亡してしまったら、子供を保育園などに預けなければいけなくなるので、新たな費用が発生してしまいます。
世帯收入によりますが、収入の無い家族にも死亡保険をかける必要が出てくる場合もあるでしょう。
生きるリスク
長生きする場合にもお金がかかりますので、資金計画を立てておかなければいけません。
長生きしすぎると現役時代の蓄えを使い果たしてしまうこともありますので、若いうちから老後の収入源を作っておくことも必要です。
疾病、傷害のリスク
病気や怪我で收入が無くなってしまう可能性も考えられます。
また入院や通院で予想以上の治療費が必要になることもありますので、公的医療保険の他に傷害保険などに加入して備えておくのも一つの手です。
家のリスク
災害が起こった場合に破損等で住めなくなってしまリスクがあります。
火災保険や地震保険で家の修繕費などを賄うこともできますが、破損度合いによっては補償額が不足する可能性もあります。
また将来、家や土地を売却する時に、資産価値が減少して売却価格が購入価格を大幅に下回ってしまう可能性も考えられます。
この場合保険などはないので、購入する時から資産価値の下がりにくい不動産を見極めなければいけません。
自動車のリスク
自動車で事故を引き起こすと多額の損害を被ったり、相手方に賠償をしなければいけなくなったりする可能性があります。
第三者への損害のリスク
思わぬ事故で第三者に損害を与えてしまう可能性もあります。
第三者への損害賠償のためだけの保険は少ないですが、個人賠償の特約ついた保険などでリスクマネジメントすることも可能です。
FP3級のための「リスクマネジメント」まとめ
FP3級のテキストにはリスクマネジメントというページがありますが、ここは簡単な概要だけがつかめていれば問題ありません。
実際に試験に合格するためには、別の記事でご紹介しているそれぞれの保険の仕組みについての理解が必要です。