FP3級ではローンとカードに関する問題も出題されます。
試験をパスするだけなら、一般的なローンやクレジットカードなどの知識を知っていれば特に重要なところではありません。
しかしローンやカードと言ってもその種類は様々なので、この記事では普段は聞き慣れない用語を詳しく解説していきます。
クレジットカード
クレジットカードは利用者の信用をもとにカード会社との契約が結ばれ、商品の購入などができるようになっています。
店でカードを提示するとまずはカード会社が料金を建て替えてくれて、その後の引き落とし日に一括して建て替えてもらったお金をカード会社に支払います。
このときクレジットカードの利用者は一時的にカード会社からお金を借りている状態になりますが、特になんの担保も必要なく利用者の信用(クレジット)のみが担保になっています。
上記のようにクレジットカードは後払い制なので、カードでの支払いが多すぎて引き落とし日に返済できなくなるという事態に注意が必要です。
クレジットカードの種類
銀行系カード
銀行系のクレジットカードは都市銀行や地方銀行、ネット銀行、または銀行の子会社から発行されているクレジットカードのことです。
銀行が発行しているカードなので審査が比較的厳しいというデメリットがありますが、保障が手厚かったり、発行元の銀行を利用する際に特典を受けられたりするメリットもあります。
信販系カード
信販系のカードはもともとクレジットカードというシステムを構築してきた、会社が発行しているクレジットカードです。
アメリカン・エキスプレスやオリコ、ジャックスなどの会社があります。
クレジットカードに特化した会社が運営をしているので、銀行系のカードよりポイントの制度やキャッシング、その他の特典などが充実しています。
また、銀行系のカードよりも審査に通りやすいというがメリットもあります。
流通系カード
流通系カードはイオンやマルイなど店が発行しているクレジットカードです。
発行元の店舗を利用する場合に、割引やポイントアップなどの恩恵を受けられます。
審査も厳しくなく年会費も実質無料なところが多く、ポイントカード感覚で持てるのがメリットのクレジットカードです。
業態別カード
JALや小田急電鉄、消費者金融会社などもクレジットカードを発行しています。
それぞれ発行元のサービスを利用することでマイルやポイントが付加されたり、その他の優遇があったりします。
クレジットカード利用上の注意
クレジットカードは現金払いより便利な反面、特有のリスクがあるので利用するときには注意が必要です。
カードの使いすぎに注意する
クレジットカードは後払いのシステムなので、支払い時に現金がなくても決済ができてしまいます。
さらに銀行から引き落とされる時はカードで支払った分が一気に引き落とされるので、引き落とし口座の残高が足りなくなる可能性もあります。
残高不足になるとカードの利用停止や利用限度額の引き下げなどのペナルティが発生します。
残高不足が続いたり、不足金額の支払いが遅れると遅延損害金なども請求される可能性もあるので注意が必要です。
カードの保管を厳重にする
クレジットカードは摩擦に対して頑丈な素材でできていますが、尖ったものが当たったり、擦れたりすることで磁気ストライプやICチップの読み取り部分に傷がついてしまうことがあります。
クレジットカードが壊れてもカード会社に連絡すれば新しいも物を再発行してくれますが、壊れたカードは読み取り機などの故障の原因にもなるので、できるだけ大切に保管しなければいけません。
暗証番号の管理を徹底する
クレジットカードと暗証番号があれば他人でもカード利用ができてしまうので注意が必要です。
クレジットカードの中には暗証番号を使わず、支払い時に署名だけで済む物もありますので、そのようなカードはカード自体も厳重に管理する必要があります。
カード犯罪に注意する
偽の通販サイトやスキミングなどでカードの情報を盗まれることがあります。
不正利用に関してはクレジットカードの発行元が保障してくれはしますが注意しなければいけません。
譲渡、貸与しない
クレジットカードは本人しか使用してはいけません。
家族間でもカードの貸し借りはできないことになっています。
家族に貸しているカードが不正利用された場合には保障の対象外になったりしまいます。
キャッシングは年収の3分の1を超えてはいけない(貸金業法)の規則
クレジットカードのキャッシングは貸金業法の規定で年収の3分の1を超えてはいけないことになっており、もし超えた額をキャッシングするとカード会社が処罰されます。
そのため多額のキャッシングをしようとする場合、カード会社から年収証明を求められることも あります。
デビットカード
現金の代わりにキャッシュカードで支払いができるカードのことです。
デビットカードを使用すると即座に預金口座から利用代金が引き落とされます。
クレジットカードと違い預金残高が無いと利用ができない反面、審査がなく作りやすいメリットがあります。
ジェイデビットカード
通常のデビットカードなVISAやJCB、Masterの加盟店で使用ができますが、ジェイデビットカードはジェイデビットカードの加盟店でしか使用できません。
電子マネー
一定の金額データをカードに移しサインや暗証番号を使用しないで決済をするサービスです。
交通系
SUICAやPASMOなど電車に乗る時に使える電子マネーが一般的です。
加盟店では普通の買い物などにも使用できます。
流通系
WAONやnanacoなど特定のお店で使える電子マネーです。
発行元と関連店舗でしか利用できませんが、ポイントが貯まったり特有のサービスが受けられたりとメリットがあります。
バーコード決済型
スマホのバーコードを読ませることで決済ができる電子マネーです。
特定の企業の店舗だけでなく、加盟店で幅広く利用できるメリットがあります。
また、ポイント還元率が高いものが多いのも特徴です。
ポストペイ
クレジットカードと紐付けられたカード型の電子マネーのこと。
かざすだけで支払いができるので、クレジットカードよりも素早く決済ができるのが特徴です。
ローン
FP3級で必要なローンの知識はそこまで深くはありませんが、概要だけは抑えておきましょう。
ここでのローンは住宅ローンとは違い、無担保のローンのことを説明します。
消費者向け無担保路ローンの仕組み
無担保ローンは物的担保の無いお金の貸付のことを言います。
担保になるのは消費者の信用力のみです。
どの会社も無担保ローンの場合、審査が甘い反面、金利が高くなるのが特徴です。
信販会社の消費者ローン
クレジットカードの発行元となる信販会社などが行っているローンです。
車や家電などをローンで購入する時に消費者と販売元の間に入ってくれます。
直接消費者に現金を貸し出すわけではなく、高額の商品を購入する際に建て替えてくれるような役割をします。
消費者金融のローン
消費者に現金を貸し出してくれるサービスを行っているのが消費者金融のローンです。
ほぼ審査なしで素早くお金を貸し出してくれるのが最大の特徴になります。
銀行などの金融機関のカードローン
金融機関などが発行しているローン専用のカードで借りることができるのがカードローンです。
クレジットカードはキャッシングとして現金を借りることもできますが、カードローンのカードではお店などでの支払いはできません。
FP3級に必要なローンとカードのまとめ
ファイナンシャルプランナー3級ではローンやカードに関する高度な知識は求められませんが、どのようなものなのかくらいは体系的に理解しておく必要があります。
一口にローンやカードと言っても複数の種類があるので、概要は抑えておきましょう。