FP3級合格に必要な「損害保険の商品」の基礎知識

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生命保険と違い損害保険の対象は
家や自動車、人などと広いです。

対象物の違いによって損害保険と言ってもシステムがそれぞれ異なりますので
広い知識が必要になります。

 

 

火災保険

火災保険は建物が火災や風害による被害にあってしまったときの損害保険です。

 

今日では保険会社はいろいろな充実した補償内容の火災保険を取り扱っていて
簡単に種類分けをすることは難しいのですが、
ここではFP3級のテキストに則って従来型の商品を分けてご紹介します。

 

住宅火災保険

住宅と家財につける保険です。

火災、落雷、破裂、爆発、風、ひょう、雪災による損害を補償してくれます。

消火活動の費用、残存物を片付ける費用、臨時費用などにも保険金の給付があります。

 

 

地震、津波、噴火など被害の範囲が非常に広い災害は免責です。

 

なぜ地震や津波、噴火が免責事項なのかというと
上記の災害は規模が広く
消防活動なども十分に行えないことから
損害補償額が大きくなってしまい
保険会社では負担しきれないからです。

 

 

FP3級試験では問われませんが保険金の説明もちょこっと載せます。

残存物片付け費用保険金

火災などで燃え残ったものを処分するための費用を実費でもらえます。

取り壊しや廃棄物処理、清掃代などにも充てられます。

失火見舞費用保険金

自宅から出火し、隣の家になど損害を与えてしまった時に当てることができる保険金です。

失火責任法によって
失火に関しては近隣の家に対して損害賠償責任を負わなくても良いことになっていますが、
お見舞い金として使用するために保険金が下ります。

一世帯あたり20万円程度が限度です。

傷害費用保険金

家族が死亡、後遺症、傷害を受けた時に支払われる保険金です。

損害防止費用保険金

損害を防止するために使った費用に充てられます。

例えばキッチンの油が発火してすぐに消化器を使用した場合

新しく消化器を買い直すのに利用できます。

地震火災費用保険金

地震による火災にも保険金が支払われます。

臨時費用保険金

臨時費用保険金は他の保険金と少し違うところがあります。

臨時費用保険金は実際に使った金額ではなく
損害保険金の数十%程度(保険によってパーセンテージは違います。また限度額もあります。)がもらえるものです。

実際は臨時費用は
住宅修理中のホテルの宿泊費や仮住まいへの引っ越し費用などに充てますが
用途は決まっていません。

 

つまり、臨時保険金30%の契約し、損害保険金100万円だった場合、
30万円の保険金がプラスして支払われます。

ホテル代や引っ越し代など細々したすべての出費の証明がなくても良いんです。

 

 

住宅総合保険

住宅火災保険の補償にプラスして
水害や盗難なども補償対象に入るものが住宅総合保険です。

 

団地保険

鉄筋コンクリートの団地やマンション用の住宅総合保険です。

住宅総合保険の補償にプラスして
修理費用、交通傷害、団地構内での傷害、賠償責任の負担による損害など
集合住宅ならではの損害にも対応している保険です。

 

普通火災保険

店舗や事務所など住宅以外の建物につける火災保険です。

収容されている動産も対象範囲に入ります。

 

地震保険

地震保険は地震、噴火、津波を原因とする
火災、損壊、埋没、流出による損害のための保険です。

地震保険は火災保険ではカバーできない範囲の保険になります。

 

地震保険は火災保険に付帯して契約をしなければいけないというルールがあります。

火災保険に加入しないで、地震保険だけに加入することはできません。

 

地震保険を付帯するタイミングに制限は無いので、
すでに火災保険に入っている状態でも、途中で地震保険に加入することができます。

 

地震保険の保険金

地震保険の保険金額の上限額は建物5000万円家財1000万円です。

しかし上限金額以内ならいくらでも良いわけではなく、
主契約である火災保険の30〜50%の範囲で定めなければいけません。

 

 

地震保険は家にどんな損害を受けても
契約時に定めた保険金がもらえるわけではありません。

家の壊れ度によって保険金の金額が変わり、
全損、大半損、小半損、一部損と壊れ方は4種類に区分されます。

 

 

一個で30万円を超える骨董品や宝石、貴金属などは地震保険の対象外です。

 

地震保険の保険料

地震保険の保険料は建物の所在地や構造などによって定められます。

地震の影響を受けやすい土地だったり、地震に弱い建物の場合は保険料が高くなります。

 

地震保険には建築物の免震、耐震性能に応じて4つの割引制度があります。

 

 

自動車保険

自動車保険には自賠責保険任意保険の2つに分けてご紹介します。

 

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)

自賠責保険のポイントは
すべての自動車に付帯させなければいけないことと
対人賠償のみの2つです。

 

交通事故で被害者を守るために
加入を法律で定められた唯一の損害保険になります。

被害者を守るのが目的ですので
対物や自身の損害に対する補償はありません。

 

 

・自賠責保険の支払い限度額

死亡   3000万円

後遺障害 4000~75万円

傷害   120万円

 

上記は被害者一人あたりの金額です。

1事故あたりの限度額はありません。

 

 

任意保険

自賠責保険以外の加入を強制されていない自動車保険のことを任意保険と言います。

 

任意保険は補償の内容によって複数の種類があり
それぞれ契約者のニーズにあったものを組み合わせて契約するのが一般的です。

 

保険料は契約者の運転歴や年齢、走行距離や使用目的によって定められます。

 

 

対人保険

自動車事故で人を死傷させたときに適用される保険。

自賠責の限度額を超えた部分の補償があります。

 

自損事故保険

自損事故で運転者や搭乗者が死傷したときに適用される保険。

 

無保険車傷害保険

対人賠償保険のついていない自動車との事故で
被保険者が死傷したときに適用される保険。

 

対物賠償保険

自動車事故で他人の物を壊して損害賠償責任を負ったときに適用される保険。

 

搭乗者傷害保険

自動車に乗車している人が事故で死傷したときに適用される保険。

 

車両保険

衝突、接触、転覆、火災、爆発、盗難、台風、洪水など
偶然の事故で車両が損害を受けたときに適用される保険。

 

人身傷害補償保険

自動車事故によって死亡したり後遺障害を被った場合に
過失割合に関わらず補償される保険。

 

 

 

傷害保険

傷害保険は急激かつ偶発外来の事故によって
身体に傷害を負ったときに適用される損害保険です。

 

傷害を受けたときのシュチュエーションや被保険者の状態などによって5種類に分類できます。

 

普通傷害保険

国内外問わず被保険者が傷害を被った場合に適用されます。

例外として津波や地震、噴火に関しては特約がなければ適用されません。

また、食中毒についても原則対象外です。

 

家族傷害保険

普通傷害保険の一種で、
一つの契約で家族全員を被保険者とする傷害保険です。

生計を共にする同居する親族や別居する未婚の子までが家族に含まれます。

 

国内旅行傷害保険

国内旅行中(家を出発してから帰宅するまでの間)に被った傷害や食中毒に対して保険金が支払われます。

 

海外旅行傷害保険

海外旅行中(家を出発してから帰宅するまでの間)に被った傷害や食中毒に対して保険金が支払われます。

国内旅行傷害保険と違い
地震による傷害も補償範囲に入ります。

 

所得補償保険

被保険者が傷害疾病によって仕事ができなくなった時に
喪失した所得を補償する傷害保険です。

所得補償保険だけは疾病でも補償されますので注意してください。

 

 

 

賠償責任保険

他人に損害を与えてしまい
法律上損害賠償責任を負うことになった時に補償される保険です。

個人向けの賠償責任保険もありますが
法人向けのものが一般的で
補償内容によって3種類に分類できます。

 

施設所有(管理)者賠償責任保険

施設(店や事務所)の所有者や管理者が
施設の欠陥や不備が原因でおきた賠償責任を補償する保険。

請負業者賠償責任保険

工事等の請負業者が
請負業務中に起きた賠償責任を補償する保険。

生産物賠償責任保険

製造販売業者が
提供した物によって生じた賠償責任を補償する保険。

 

 

積立型賠償保険

傷害保険の保険料はは基本的に掛け捨てですが、
保険期間が長期化するものの中には満期返戻金のある積み立て型の商品も存在します。

 

 

FP3級合格に必要な「損害保険の商品」まとめ

損害保険は火災保険や自動車保険など
全く仕組みの異なる保険を覚えなければいけません。

それぞれの知識がごっちゃにならないように
補償の範囲や数値を覚える必要があります。